
午前中にかけているCDは渡邉規久雄のピアノ独奏によるシベリウス・リサイタルの最初のCD。2003年6月の東京文化会館でのライブ録音である。いまからもう13年半前になってしまう。この第1集を聴いた時にはこのように息の長いライブとなることは私などは理解していなかった。
さて最初の「キュリッキ-3つの抒情的小品」(作品41)からすっとシベリウスの世界に引き込まれてしまう。これはいかにも劇的要素の強い19世紀に民間説話を集大成して作られたフィンランドの叙事詩「カレワラ」を題材とした作品である。ただし散らばっている説話をひとつの叙事詩として再構成・創作されたもので、「説話集」「口承集」ではない。再構成したことを除けば作者である医師エリアス・リョンロート(1802-1884)の創作部分は「約5%」といわれる(Wiki)。略奪婚あり、婚姻後の男女の契約あり、なかなか興味深いものがあり、一読はいつかはしたいものである。
聴いたことのある曲は「フィンランディア」のシベリウス自身によるピアノ編曲版、「5つのロマンティックな小品」(作品101)から第1曲「ロマンス」。
最後の「10の小品」(作品24)からの5曲は私の好みである。第10曲の「舟歌」は印象的である。地中海に面したヴェネツィア風の舟歌とは違って、最初に激しい要素も含まれる。後半はゆったりした船の揺れのようになるが、海の色の違いをそれとなく感じる曲想である。